ロックンロール生態学・ライブ科・特許出願中!・・・・・・・

ALL OF US LOVE子供ばんど。By 日高あきら

日高あきら:現在、MOON STRUCK PRODUCTIONのマネージャー

である、あの有名なD.D氏の昔のペンネームです。

すなわち、以下の文はD.D氏が昔に書かれた記事です

 

 

子供ばんど―79年にあのEAST WESTでグランプリを獲得し、

昨年10月○日にキャニオン・レコードより

WE LOVE 子供ばんど」でデビューしたバンドとして、又、

北島健二やママドゥの日高富明らが在籍していた

キャリア・バンドとして、そのユニークな名前だけは著名に

知れ渡っているというバンドだ、

彼らはライブ・バンドだ。それも半端じゃない、

とことんまで観せて観せまくってくれる。

激涙、激電、激笑、激失禁もんのライブ・バンドだ。

彼らの演るブギウギ・ハード・ロックがギンギン、ノリノリで

かっこいいという単純な冠状はさておいて、その音楽に対する

ひたむきな姿勢が100%純生の感動をそそる。

とにかく、一度彼らのライブを観たものはたちまちトリコになる、

という事実が全てを物語っているのではないだろうか。

―因みに、僕もその中の一人

 

     跳超(てふてふ)人・うじきつよし(VoG

     ジミヘン命・谷平こういち(G

     国籍不明・湯川トーベン(B

     地味でも光る・山戸ゆう(Ds

 

という4人のメンバーで、このラインナップになったのは今から2年半前。

オリジナル・メンバーはリーダーのうじきつよし一人だけである。

 

うじきつよし

子供ばんどの表看板でも裏張りでもある彼は、そんじゃそこらじゃお目にかかれぬ程

楽しい人間性を持ち、矢継ぎ早に飛び出す冗談やその頭の回転の早さは、ちょっと

得体の知れなさも感じさせる。子供ばんどのキャラクターの大元締はやはり彼なのである。

通称JICKことうじきつよしに、早速インタビュー。

 

                                  

55日・子供の日にいよいよセカンド・アルバムがリリースされるね、

1年に2枚出すっていう信条通りに・・・。

今度の「パワー・ロック・ジェネレーション」・・・

凄い勢いでノッてたようだけど、色々と凝ってるんだって?

 

ムフフ、実はそうなんです。今回は録音方法がまず変わってるんですよ。

2つのスタジオがあって、最初に小さいほうのBスタで演奏して、

通常通りのレコーディング・システムでミックスしたのね。

で、それを大きいほうのAスタにラインでもって再生させたの・・・。

Aスタには、普段ライブでやるPAをどーんとセッティングしてあるんだけど、

そのPAから音を再生してね、それをマイクで録って、そのAスタで録って音と

Bスタで録った音をミックスさせちゃう、というやり方なのね。

 

だから、なんか音がブワッとくるのかな。確かに音は広がってるね。

 

へへ、実はそれだけじゃああゆー音は出ない!確かにそれも凄かったんだけど、

それをプラスした秘密のマシーンがあるんです!そのマシーンって言うのは

エコーマシーンなんだけど・・・・えー・・・

その、実はこれ企業秘密でして言うとヤバイから名前は言えない。

それに言うとみんな使うからイヤだ。

 

そのマシーンは誰の?

 

キャニオンの一口坂スタジオにあるんだけど、外国じゃ結構ミュージシャン達が

つかってるし、有名なやつですよ。知ってる人は知ってる、うん。

ただあんまり値段が高いから、日本じゃ一口坂スタジオにしかないんじゃないかな。

 

凄そうだね。

 

それはホント凄いの!!で、あんまり凄すぎて使い方がよくわかんなくて、

使い方失敗しちゃったんですよ、実は。(笑)

だから、あんまり効果はでてないんじゃないかな。

 

曲作りの方も巧みになってきてるようだけど・・・。

 

曲自体はもう無条件にいいんですけど、これも又凝ってあるんですよね。

1枚目のアルバムを出してみて、単に音を左右に動かしただけでは本当に

動く感じは得られないってわかったのね。そういう小細工よりも、出てくる音の

内容によって遠くなったり近くなったり、そういう感じがでたらいいなあってイメージで

もってやったんだけど――どこまでそれができたかはちょっとわかんない。

だから、ギターかぶせるのも、1枚目の時は同じ事何回もガンガンやっちゃって

 “これでもか、エイッ、これでもか、クソッ!”だったけど、2枚目は、

あらかじめ、ここはこういう風にピッ、ここはこういう風にピッとかきめておいたの。

コーラスなんかも左右にふりわけて、色々ハーモナイズとかやってみたりした。

 

ヴォーカルにも手を加えてあるんでしょ?

 

うん。シングル・カットされる、“ドリーミン”とか“可愛そうなエンジェル”で

少し遊んだ。

“可愛そうなエンジェル”は僕の声じゃないみたいでしょ。あれも秘密をやったの(笑)。

あれは、録る時にちょっとイコライジングしてテープのピッチを落として録ってね、

それに僕の声をかぶせて通常のスピードで再生したの。

声の音域が高くなるんだけど、その上にそれと同じ音程で

フェーズをかけた。で、今回・・・ヴォーカルを全体に軽くしたのね。わざと。

1枚目の時、クセがあって鼻につくとか聴いてて苦しくなるっていう人がいて・・・。

だから、ディレクターが意識して力をぬいちゃってね。

 

うん、ポンとぬけるようなところはある。

 

僕自身としては、アクセントをもっと強くつけたかったんだけど・・・。

抑揚を極端につけないと、

目で見えない分聴く方で表現できないって思ってディレクターに言ったんだけど、

ディレクターが強行で・・・。

曲の中では、もっと力みたかった曲ってあるね・・・実感として。

 

ディレクター強いんだ。

 

全然。(笑)音に関する事では、1枚目も2枚目も全く自由にやらせてくれてるよ。

ただ、そのヴォーカルの点では一瞬強かったみたいね。

 

気持ちの上で、1枚目と2枚目を作った感じはどう?なんか違う?

 

1枚目ん時はすごい力んじゃってたから。力みかえっちゃって、ウーッ!!とか唸って・・・、

ちょっとお便所に行った方がいいんじゃない?って感じだったね。(笑)

2枚目は力みも取れ、お供曲もものすごい良いと真剣に思い込んで作った。

もう本当に凄いアルバムだ!!ってずーっと思ってたんだけど・・・。それがなあ・・・。

 

ライヴん時にステージで言ってたね、“ロック界ここ10年にみる佳作”とかなんとか・・・。

めいっぱい自讃してたじゃない。

 

いやあ、それ・・・いやあ、まいったなあ。ライヴで片っはしからお客さんに言ったんだよね、

自分でさ。“ここ10年、日本のロック史上に残る本当のハード・ロックのアルバムだ!!”って・・・。

やっぱ作ってる時は、我が子可愛さ()みたいな思い込みがあった気がするね。

 

そう?そんなに悪いとは思わないけどね。

 

やっぱ、今の実力ってのがあるからね・・・。

まだまだ勉強しなきゃいけない点がたくさんあるよ。

・・・レコーディング方法以前に、まず演奏のやり方とかさ。

 

1枚目のレコード出す時、やたら、“コワい”って言ってたけど、

又コワくなってきたりして・・・。()

 

あおれはないけどさ。() そうね・・・、1枚目出す時はコワかったなあ。

ほら、レコードだす奴らがさ・・・「俺、レコードだすからな!!」とか

すごい張り切ってたのが、レコード出したとたんポシャッたり落ち込んだり

しちゃうじゃない。ろういうの身近でたくさんみてたから、レコード出すってのが

恐怖だったのね・・・。

ああなりたくない!って思っちゃって。・・・でも出した。

うん。ライヴとかで色んなところをまわると、みんなが“レコード出ないの?出ないの?”

って言ってくれてね・・・。

“出る事になったゾ”って言ったら、みんな自分の事みたいに喜んでくれてね

“よかったね!これで一人前だね!”()みたいにさ。そういう風に喜んでくれる連中のためにも、

レコードを出してよかったなと思って。

 

そこらへんのファンのパワーが強烈なんだよね。子供ばんどの場合。

こう、ロックが好きでたまらないっていうアマ・バンドがそのまま自然と多いきくなって

プロになっちゃったって感じがするから、すごく親近感がるんだろうね。

それに、様式化され過ぎちゃった“ハード・ロック”みたいな、

押し付けがましさなんて全然ないから・・・、

ステージでもその辺がストレートに伝わってくるじゃない。

 

へへへ・・・。でも、きまるバンドがきまってる時って凄いよね。・・・

スモークなんかブワーッとたいて、

ギュルルーン、グワシグワシ!!バキッ!!()

 

RCサクセッションも自然なかっこ良さがあるよね。

よく、子供ばんども似てるって言われてたようだけど・・・。

 

そうはっきり言いたくないけど、RCは好きだね。清志郎さんは昔から好きだった。

昔から2時間35分のステージとかやっちゃってくれて、もう大ファンだった。

最初、ABC(アシベ)で一緒に演った時、感激しちゃって泣きそうになりながら

握手してもらいに行ったら、直前に逃げられちゃった。()

 

よく比較されるAC/DCは?

 

あれは、ファンだったけど会ったら嫌いになった。ヤラせっぽいんだもん。

僕らも奴らも演奏が仕事だけど、奴らは完全に“仕事だから演る”って感じたのね。

そういうのはイヤだ。

 

子供ばんどの、“仕事”としてのプロ意識はいつ頃?

 

そう聞かれるとこまるんだなあ。わからない。高校の時から、“負けてたまるか!”で、

ずーっときちゃったまんまだから。・・・プロ意識ねえ・・・

去年の11月に初めてお給料をもらったんだけど、その時は仕事したって感じたね。

・・・とにかく嬉しかったよ。

 

“仕事”って言葉の束縛は?いやな仕事でもやんなきゃいけないとか。

 

そういうのはない。

 

本当?

 

本当はある()

“なんだコノヤロー、何で俺がこんな事しなきゃいけないんだ”って思うときもある。

でもそういう時って、自分がすごい天狗になっている時だと思うのね・・・。

前は演らせてくれるって言ったら、どこでもすぐとんで行ったもの、実際問題、

俺らはそんなに偉かないし。文句を言う前にとにかくやらなきゃ。

それができないんなら負けだよ。

 

ところで、話はきゅうに変わるけど・・・、そのバンド名のこと聞きたいね。

今更だけどさ、・・・色々問題あったんでしょ、“よくない”って・・・。

 

うん、言うんだよね、みんな“よくない”って・・・。最初の頃ね・・・、

ある店に出演依頼の電話をしたら“名前がねえ・・・名前かえたらまた電話ちょうだい”

って言われて、そのときメンバー・チェンジとかもあって、

真剣にバンド名を変えようと思ったのね。・・・で、

色々考えたんだけど全然かっこいいのが思いつかなくて、そのうつだんだん頭にきて、

もう激っちゃって“名前変えるかコノヤロー!!”。

それで、俺たちがEAST WESTで優勝したら、その店から、

“出て下さい”って電話があって・・・

“今いっぱいなんですよ。スイマセン”って言ってやった。()

     ・今、この名前すごい好きだよ。最初につけた時は、

     なんとなく気に入っちゃってつけたんだけど、

何でそんなに気にいってつけたのかっていうのがわかってきてね・・・。

へんな理屈がついてきて、納得しちゃってんの・・・。

 

もう変えるわけないよね。

 

うん。変えない。・・・よく“もう大人ばんどって名前になるんじゃないですか?”

とか聞かれるんだけど、“いやあ、変えないんですよ”ってニコニコして答えながら

――何言ってんだよ、このクソじじい――!・・・とか思ったりしてね。

 

今度、55日のセカンド発売と同じ日に大きなコンサートを開くんだって?

 

そう!!「ライヴ1000本記念やったぜ子供ばんどコンサート」。久保講堂でね。

大きな所での初のワンマンだから、死ぬ気でハリキッちゃうもんね。

想像を絶するようなムチャクチャ凄いステージにするつもりなんだ。

 

それが一つの区切りになる?

 

そういう感じは全然ない。ただ、そのコンサートの後ろに2週間という信じられないくらいの

休暇がもらえるのね。それが区切りって気もする。

ホント、・・・EAST WEST以来、お正月休みもなかったからなあ。

 

その休みはどうする予定?

 

実は何していいのかわかんないの。()

メンバー全員、嬉しくってオロオロして、何していいのかわかんないの()

 

じゃあ最後に、本誌初のまとも登場と言うことで、何かメッセージある?

 

ウーン、ンー・・・、急に言われても困る。・・・やっぱ、子供ばんどは、

あたりまえのバンド!ってことぐらいかなあ。