PART 3



towさんのHEART BREAK KIDSのアルバムについての
疑問をやまとゆうさんがお答えてくださいました

★★★towさん★★★

ゆうさん、アルバム「HEART BREAK KIDS」の
レコーディングって、

デジタル・レコーディング
だったのでしょうか?

それとも
アナログ・レコーディング?


言い換えると、RIGHT TRACK STUDIOは当時、

デジタル・レコーダーを導入
していたのでしょうか?・・・
ということになります



というのは、
81年ごろには既に、内外の

アーティストがデジタル・レコーディングを
試し始めていましたので・・・。


日本だと、スクエアとか、
海外だと、マッカートニーとか・・・


いずれにせよ、「HBK」の音圧には、
当時、仰天しました。

マイケルの「スリラー」に匹敵する
音の良さにぶっ飛びました。

つまり、ドラムがそこで鳴っている・・・
って感じでしたので。

LPに「針飛び注意」の注意書きが
付いていたのが、印象的でした。


★★★やまとゆう氏★★★

HBKはアナログですよ。

ただしマイクアレンジが全く当時の日本
では考えられなかったものでした。

今では誰でもやるアンビエントマイク
なんてそれまで見たこともなかったですよ。


太鼓にはタム1個につき3本位位置を
変えて立てたりしてました。
そのそれぞれのマイクから入った音を
ミックスしてましたね。


それに日本のレコードって当時
音圧レベルが低かったのね。

だから迫力がいまいちでした。

アメリカから買ってきたハンブルパイの
レコードは針が飛んだりスピーカーが
うなったりするほどレベルが高かったんですよ。


つまり根本的にエンジニアの機械に
対する考え方が違ったんですね。


日本人のエンジニアは当時オーバーレベルを
避けて機械を壊さないように

許容範囲の限界を遙かに下回るところで
仕事してたんですね。

それが優秀なエンジニアだと
思われていたふしが有ります。


ところがアメリカ人のエンジニアは
機械の限界を超えてしまったとしても

それで良い音が録れるならOKなんですよ。
それで機械が壊れたら直せば
いいだろうって考え方です。


機械を大事に扱うのはもちろん
大前提ですが、アプローチが全然
違ったんですね。

本当にアメリカに行って
目から鱗が落ちましたね。

アメリカ人って何でも大味なのかなって
思ってましたが、全く違いました。

特にHBKのフランク・フェリペティさん
(チーフエンジニア)は本当に繊細な人でした。
スタジオにいるとき以外は
いつも耳のために耳栓をしてるんだそうです。
(無駄な騒音を聞いて耳を疲れさせない為だそうです。)


まずドラムがいい音で録れたかそうでないかが、
レコードやCDを作るときの第一段階だそうです。


そのために労力を惜しまないんですね。
広いスタジオにドラムセットとマイクだけ
(それも凄い数のマイク)、それだけやるんですから
いい音になるでしょうね。

でもその何本ものマイクで録った音を
ミックスして一番いい音にするのも
たいへんです。


そんな地道なレコーディングでHBKは出来ました。
あの音、満足してます。